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BtoBマーケティングオートメーション実践に向けて<br />~カスタマージャーニーマップとナーチャリングシナリオを作ってみよう!~

BtoBマーケティングオートメーション実践に向けて
~カスタマージャーニーマップとナーチャリングシナリオを作ってみよう!~

最近「マーケティングオートメーション」というキーワードが、マスメディアやセミナーなどで良く聞かれるようになりました。欧米では一般的に利用されている言葉であり、日本においても徐々に広がってきています。しかし、日本ではまだまだ浸透していない段階です。今回は、今後の活用が期待される「BtoBのマーケティングオートメーション」についてご説明します。

 

目次
▼ BtoB営業の現状の理解を!
▼マーケティングオートメーションとは?
▼カスタマージャーニーマップとナーチャリングシナリオを作ってみよう!

 

 

BtoB営業の現状の理解を!

「マーケティングオートメーション」を説明する前に、まずはBtoBの営業現場が直面している現状について考えてみましょう。

BtoBのマーケティングにおいては、Webサイトからの問い合わせや展示会、セミナーなど、様々な手段を使いリード(見込み客)獲得を図っています。しかし。せっかくリードを獲得したにもかかわらず、営業現場がホットなリードではないと判断し、営業フォローが遅れてしまったために競合他社に奪われてしまうということが頻繁に起こっています。

その理由の一つとしては、インターネットの発展により顧客側が様々な情報を自分で調べるようになっていることがあげられます。
営業部門が見込み客に接触したタイミングでは、その商品・サービスに関心度が低かったとしても、その後、見込み客自身が情報収集を行い、知識を得ることで商品・サービスへの関心度が高まり、優良な見込み顧客に成長している可能性があるのです。そしてホットなリードになったタイミングで適切にアプローチができなかったがために、競合他社に奪われてしまうということが発生し得るのです。

このような状況を防ぐためには、リードに対して継続的に接触し、長期的に育成し(リードナーチャリング)、案件化まで導くことが重要です。
しかし、実際には営業現場もすべてのリードに対し、きめ細かい対応を行うことはできません。限られた営業リソースの中では、個々のリードの長期的育成にまで手が回らず「案件にならないリードを渡されても困る」という営業現場の思いもあるのです。

その結果、リード獲得(マーケティング部門)と案件化(営業部門)のプロセスの間に溝が発生してしまい、企業活動に問題が発生しているケースが見られます。営業現場はリードを育成することに時間をかけるのではなく、すぐに案件化するホットなリードが欲しいのです。

そこで最新のIT技術を活用することで、関心度が低かったリードをホットなリードへ育成するプロセスを自動化するツールとしてマーケティングオートメーションが注目されているのです。

 

 

マーケティングオートメーションとは?

 

マーケティングオートメーションとは、個々のリード(見込み客)に対し適切なタイミングで適切な対応を自動的に行うことで、ホットなリードに育成するものです。
個々のリードの行動履歴や状況に合わせて、どのようなタイミングで・どのような内容を・どのような方法でアプローチするかを個別にあらかじめシナリオ化し、その対応の実行を自動化する仕組みです。

例えば資料請求してきたリードがいた場合、資料請求した後、3日間自社のWebサイトにアクセスしていなければ自動的にリマインドメールを送信する、Webサイトにアクセスがあった場合には導入事例のページを表示することなどが可能となります。

このようにリードの状況に合わせ、個別キャンペーンを自動化することでマーケティング活動を効率化できるようになるのです。

 

マーケティングオートメーションの主な機能は以下のようなものです。
■リードの行動履歴の蓄積
■行動履歴にもとづいたリードのセグメント化(グループ分けセグメント)
■シナリオ化によるセグメントにあわせたキャンペーン活動(メール配信など)の自動化
■キャンペーン活動の結果分析によるシナリオの調整
■数値にもとづいたPDCAサイクル構築

マーケティング活動を効率化するとともに、数値化された結果にもとづきPDCAサイクルを回すことにより、より精度の高いシナリオへと改善することも可能となります。
その結果、よりホットなリードを営業部門へと引き継ぐことができ、効率的な営業活動が実施できることで受注を拡大につながるのです。そして、その営業結果をフィードバックすることにより、さらにシナリオの精度を高めるという正のスパイラルが生まれる可能性もあるのです。

しかし、マーケティングオートメーションはあくまでもツールでしかありません。このツールを有効に活用できるかはシナリオをうまく作成できるか、そして結果にもとづいたPDCAサイクルを回せるかがキーになってきます。

有効なシナリオ作成のためには、リードがどのような行動プロセスを経て顧客になるか、どのようなキャンペーンに反応するのかを把握することが重要です。そして、そのためには、ユーザーの立場になってその行動をカスタマージャーニーマップとして作成することが有効な手段となります。

 

 

ジャーニーマップとナーチャリングシナリオを作ってみよう!

 

まず、ユーザーの目線でジャーニーマップを作ってみましょう。
例えば、ITベンダーが提供するERPパッケージの販売を例とします。

ERPパッケージを購入するユーザー側の特性を見ると、
■購入金額が大きい(2千万円から1億円以上まで)ので、社内稟議を通すのが大変
■導入時期が延期になることも多い
■社内業務の流れにパッケージの機能がどこまでマッチするか
■独自の機能をアドオンで開発できるか
■長く利用するので、長期的に安心してサポートしてもらえる会社を選びたい
などが上げられます。

 

商談に繋がったリードや、受注までとどりついたリードが、どういう行動をとっているのかを時系列でマッピングします。

 

カスタマージャーニーの例カスタマージャーニー

次に、ナーチャリングシナリオを作ってみましょう。

 

販売する企業側のマーケティング部門としては、
■コンタクトする機会をできるだけ多くする
■ファーストコンタクトから、決定までの営業の長期的な継続フォローが必要となる
■技術力、サポート力を見せながら、自社への安心感・信頼度を増やす
■ホットな案件のみを営業部門に渡す

 

この事例では、リードを課題解決と製品紹介セミナーに誘導すること、検討段階になったホットなリードをいち早くキャッチすることが目標になります。

 

ナーチャリングシナリオの例ナーチャリングシナリオ
定期的なメールマガジンを送りながら、リードの反応を見ています。
特に関心の高いリードを選別して、リードが欲しいと思われる資料を、メールマガジンとは別のメールで定期的(1か月ごとなど)に送ります。

リードがこれらのアクションにどう反応したかをスコアリングします。
メールを開いたか、資料をダウンロードしたか、サイトに訪問したか、どこのページを見たか、セミナーに参加したか、展示会で来場したか、サイトへの訪問頻度が多いかなど。

スコアのつけ方は、反応があったら、それぞれ+10点ずつ付与していきます。
半年たって、一度もメールに反応しなければ、-30点などのマイナス点をつけて、ランクを下げます。
スコアの合計が、50点以上になったら、営業部門に、リード情報を引き渡します。

カスタマージャーニーマップ、ナーチャリングシナリオの一例を説明しましたが、リードとのコンタクトは、いろいろな場面で発生しています。ファーストコンタクトから案件化までの流れを連続的に自動化することは簡単にはできません。リード件数が多いとか、連続的にアクションを取った方が良い部分の自動化を検討すべきでしょう。

次回は、BtoBのマーケティングオートメーションの機能やツールの選び方、失敗しない進め方をご説明します。

 

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